日本で網膜症が原因で視覚障害と認められた人は、1年間でおよそ4000人です。 そして、成人の視覚障害の原因の1位となっています。 網膜症は、ほとんど自覚症状がありません。 そのため、発見されたときには、症状が進行しています。 網膜症は、高血糖により網膜の毛細血管が弱くなったり、詰まったりすることで出血が起きて発症します。 糖尿病発症から5年以上の人の15?20%の人が、網膜症になります。 20年以上の人では60%以上の人が網膜症になります。 そして、その中の15%の人が視覚障害を起こす危険性がある状態まで進行していきます。...
網膜症は、自覚症状がほとんどなく、進行してしまいます。 進行の状態は、次の3つに分けられます。 <単純網膜症> 初期の段階で、網膜の毛細血管が弱くなり、血管に小さいこぶのようなものができます。 そのこぶのようなものが破れると、「点状出血」を起こします。 その点状出血が吸収されると、網膜に硬い「白斑」というものができます。 そして「黄斑部」という視力にかかわる部分に影響がないと自覚症状はありません。 <増殖前網膜症> 毛細血管の内部の空間が狭くなったり、詰まったりすることがあります。 その影響で血流が途絶えて、血管壁の外へ血液の成分が染み出します。 すると軟らかい白斑ができます。 ほとんど自覚症状がなく、黄斑部以外に起こることが多いです。 <増殖網膜症> 毛細血管が詰まり、血流が途絶え、網膜が栄養不足や酸素不足になります。 それを補おうと新しい血管「新生血管」ができます。 しかし、その新生血管は、とても弱くちょっとした刺激でも破れてしまいます。 そして、破れたことで出血がおき、硝子体にまで影響すると視力が低下します。 さらに悪化すると「網膜剥離」になり、最悪の場合失明をする可能性があります。 現在日本では、治療によって網膜症による失明は減っています。...
網膜症の治療は、症状の状態によって違いがあります。 <単純網膜症> 主に血糖のコントロールを行います。 血糖をコントロールすることで症状が改善されることが多いです。 その血糖をコントロールするために、生活習慣の改善を行います。 <増殖前網膜症> 治療の基本は、血糖のコントロールを行います。 それ以外に治療として、進行を抑えるために「レーザー治療」を行います。 <増殖網膜症> 治療の基本は、血糖のコントロールを行います。 硝子体出血を起こしてしまったときは、硝子体手術を行います。 また、症状によってレーザー治療を行うこともあります。 網膜症を予防するためにも糖尿病と診断された人は、発症する前から定期的に眼科を受診することをおすすめします。...
高血糖が原因で網膜症になることがあります。 そうならないためにも血糖をきちんとコントロールすることが大切です。 過去1?2ヵ月間の血糖の平均値を反映したものがHbA1C(ヘモグロビンエーワンシー)です。 このHbA1Cを続けて調べることで血糖の状態がわかります。 そして、アメリカで行われた臨床試験の結果、HbA1Cの値が低い方が網膜症になる確率が低いことが分かりました。 また、空腹時の血糖値と食後の血糖値の差を小さくすることも重要です。 健康な人の血糖値は、空腹時70?100mg/dlくらいで、食後は140mg/dl以下です。 ただし、空腹時の血糖値が正常であっても、食後の血糖値が200mg/dl超など変動が大きいときは、毛細血管に悪影響を与え、網膜症が進行してしまう可能性があります。 そして、進行した網膜症の場合に、薬物療法などを行い、血糖値が急激に下がったりすると出血する危険性があります。 ですから、体を動かして糖を消費しやすくしましょう。 網膜症の原因である糖尿病を改善することがとても大切です。...